パンナムサット8号の受信


◎海外の衛星放送や衛星通信を日本でも受信することが出来ます。

※海外からの衛星TVは、そのほとんどがCバンド(4GHz帯域)を使用しており必然的にアンテナのサイズが大きくなりがちです。そんな中で私は、国内の衛星放送と同じKuバンドを用いた海外衛星からのデジタルTVの受信にチャレンジすることにしました。
  1. はじめに
     ネット上に流れている海外衛星TVの情報を調査した結果、Kuバンドを小さなアンテナで受信が可能と思われる、PAS−8に興味を持ち、受信の準備をすることにします。なおここで従来のアナログ受信機器は、方向合わせをする際にレベルメーター代わりとして活用します。
  2. 私の受信設備
     偏波方式を考えない取りあえずの受信であれば、アンテナに関しては、旧ディレクTVに使用していた45cm専用受信機器セットがそのまま流用可能です。 なお旧ディレクTV用、45cmアンテナの局発周波数は11.2GHzです。 ただしチューナーは方式が異なりますので、新規導入する必要がありました。私は、岡山のアサヒデンキさんで購入しました。

    受信器材 品名:型式
    デジタル受信機 SDR−1000RMK2(SYSTEC製)
    使用パラボラ 旧ディレクTV用45cmオフセット
    LNBF 旧ディレクTV45cmに搭載のもの
    アナログ受信機 CST-1000DP(富士通製):レベルメータの代わり

  3. 受信周波数
     旧ディレクTV用45cmオフセットアンテナで、下記の6チャンネルが受信可能です。ただし45cmのアンテナでは、雨・雪が降ると安定して受信できないことがありますので、安定受信には60cm以上のアンテナが必要です。なお下記6チャンネルは、すべてNTSCの放送方式です。

      
    ◎周波数:12.394GHz (水平偏波)(放送方式=NTSC), SR=8380, FEC=3/4, VPID=512, APID=650
    ●【OSB 1-TV】【OSB C-TV】【OSB 3-TV】【SKY-TV】の4つが視聴可能です。
    ●韓国語の音楽、宗教、ドラマ、ショッピング番組です。
    ●OSB 1-TVチャンネルは、時々日本語番組をそのまま放送しています。
    ※日本語番組放送中は、画面下側にハングル文字で翻訳しています。

    ◎周波数:12.402GHz (水平偏波) (放送方式=NTSC), SR=4410or2206, FEC=3/4, VPID=1110, APID=1211
    ●【4MHz NTSC1 Audio】
    ●PIDもAUTOで自動認識できます。
    ※2001年5月1日現在、カラーバーが出ています。

    ◎周波数:12.422GHz (水平偏波) (放送方式=NTSC), SR=3675, FEC=3/4, VPID=3601, APID=3604
    ●日本国内向け【HMV】音楽情報専門のチャンネルです。
    ●HMVの店内で流れている、最新のビデオクリップを観ることが出来ます。
    ●ラジオの放送も、2チャンネル分放送されています。APID=3606/3607
    ●午前9時30分頃までは、カラーバーが出ています。

  4. 方向合わせのポイント
     一番やっかいなのが方向合わせだと思います。私の場合も、従来のアナログTVの時のようには簡単に出来ませんでした。皆さんが一番苦労されている部分ですが、色々と情報を探しさらに実験・試行錯誤の結果、以下の方法が最も簡単にしかも早く、方向合わせが出来ることを確信しました。

    1. アナログチューナーを活用することで、レベルメーターの代わりとする。これがポイントです。ここではもっとも強力な周波数、12.402GHzを目標にします。

    2. 今回のようにスカパーやディレクTV用等、国産のLNBFを用いる場合は、その電圧仕様に応じて電圧変換器を用いる必要があります。通常国産のLNBFの電圧仕様は11Vと15Vですが、海外製のデシタルチューナーの電圧仕様は13Vと18Vが一般的です。なお国産のLNBFにDC18Vを印加すると、最悪の場合は破損する場合があるようです。これを避ける簡単な電圧変換器に関しては、こちらを参照下さい。

    3. アナログ受信機器でSCCの4チャンネルが受信できるように設定する。もちろんLNBFの周波数は、間違いなく設定されていることが前提です。その時に正規の周波数から8MHzマイナスの設定をしておく。元々の受信周波数は12.410GHzなので、8MHzマイナスだと丁度上記の周波数とマッチして、12.402GHzが受信できることになる。

    4. この状態で方位磁石を見ながら、南東にある衛星の位置にアンテナを向ける。アナログチューナーのレベルを見ながらアンテナを振ってベストポイントを探す。ここが一番時間のかかるところで、私の場合は探しあてるまで約2時間かかりました。本当に根気と根性の世界ですから、体調の良くないときは、この作業はしない方が良いでしょう。レベルメーターが大きく変化するところが見つかれば、おそらく『PSA−8』か『SCC−B2』だと思われます。

    5. 上記の状態で45cmのアンテナでは、受信の最大レベルポイントの山が2つあるようなイメージです。強力な方が『SCC−B2』で、弱い方が目指す『PAS−8』だと考えてください。取りあえず弱い方に向けて、アンテナを仮固定します。

    6. ここでデジタルチューナーにそのままのアンテナ状態で接続を交換して、受信周波数を12.402GHzに設定します。SR(シンボルレイト)値を手入力して、PIDスキャンを行う方が早く受信できます。ここで全ての周波数スキャンを行うと数時間もかかり、とても待ち切れません。

    7. 旨くPAS−8の方角にアンテナが合っていると、スキャンすると勝手に映像が奇麗に出てきます。まずは、感激の一瞬ですね。最初しばらくは、画像の奇麗さに見とれてしまいます。

    8. いったん方角が定まったら後は簡単で、インターネット上で流れている既知の周波数やSRを手入力します。PIDは、自動スキャンさせると簡単に判別してくれます。

    9. これでまったくノイズのない、奇麗なデジタル画像が受信できました。再度受信レベルを確認して、アンテナを正式に固定します。お疲れさまでした。

    ※ポイントとしては、前もってデジタルチューナーの取り扱いにある程度慣れておくこと。特に受信周波数やSR値を手入力する方法や、基本的なスキャンの方法は必須項目です。なおデジタルチューナーのレベルメーターは、その仕様からアナログチューナーよりも感度が鈍いイメージが強いです。 たとえ信号が強力に受信できておりパラメータ値が合致していても、ある程度受信できている状態が続き、ロックされないと映像にはなりません。

    ※初めて受信される場合は、晴天の日に挑戦されることをお勧めします。雲が無ければはっきりと信号の差が現れ、方向合わせがより簡単になります。

  5. 実際の受信映像
     現在受信できる各チャンネルの画像を近々ご紹介します。何れもテレビ画面を直接撮影したものですので画質は劣ります。ご了承下さい。
  6. 終わりに
     実際受信にチャレンジしてみた感想として、今回のデジタルTVは、従来のアナログTVよりも方向合わせがとても難しいと感じました。しかしながら周波数さえ判明しておれば、アナログ受信機を旨く活用することで、要領さえつかめば受信に慣れてくるものだと思った次第です。 デジタル放送の場合、アナログ放送の時のようにアンテナを無鉄砲に振り回していたのでは、非常に効率が悪く時間ばかりが経ってしまい、初めての場合はこの方法だと、まず受信は不可能に近いように感じました。 今回わたしは、岡山の『まあべるさん』にお世話になり、受信のポイント等を丁寧に教えていただきました。


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