/滅びし者へ/ 

小松島の幻影(滅度?????)


(1994年7月小松島競輪場)

94年ふるさとダービー小松島
2次予選
宮本 忠典(山口)
山口 幸二(岐阜)
鈴木  誠(千葉)
丸島 真改(千葉)
溝口 欣也(兵庫)
高橋 正登(群馬)
菊池 仁志(愛媛)
大沢 嘉文(静岡)
佐久間幸人(愛知)
 
地乗り 175、29、4386

『これは、鈴木でしかたがないよ』

関東モンの友が関東弁で言った。

KAGI 『山口は?』
友人 『確かに山口の出方が問題だけど、鈴木後位狙いだよ』
KAGI 『山口はやけくそで鈴木と競ってくれんろうか。しかも外で』
友人 『山口もそこまで馬鹿じゃないよ』
KAGI 『ううむ。確かにそういわれれば。それでは面白うないねえ』
友人 『鈴木の後位が山口の競り込みで併走だ』
KAGI  『と言うことは』
友人 『そのとおり!!。典型的な追込−逃げ残りの出現パターンだよ』
KAGI 『丸島で残れるろうか?』
友人 『おっ、確かにまぶたに浮かんだ。二センターで丸島との車間を二車身開けて後ろを振り向いた鈴木の姿が。ここは勝負だ』

 迷い続ける私を置いて、友はサッソウと穴場に消えて行った。


 ホームで発進した丸島が快調に逃げ飛ばす。マークは『走る芸術品(場内放送の表現)』鈴木。そして鈴木の後位は大沢と山口でもつれている。そして迎えた三角−四角。

 鈴木が車間をきっちり二車身開け、後ろを振り向いた。あまりにも完璧過ぎる。予言どおりの前残し。いよいよやって来ました直線。頭はもちろん鈴木で楽勝。そして二着は。二着は競りを凌いで山口が突っ込んで来た。

 車券を買う勇気をおこせなかった私は、冷静にレース見学を終えた。そしてすぐさま友の姿を探した。気合のあまりか、金網かぶりつきに居た友を見つけた。すぐ目があった。

 私の方に歩み寄ってきて、苦笑いしながら、淡々と言った。

 『確かに三角四角は見えたんだ。でも、良く考えるとゴール線は見えていなかったんだよな。』


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